SKED 我が国の魚類生産を支える黒潮生態系の変動機構の解明

The Study of Kuroshio Ecosystem Dynamics for Sustainable Fisheries

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コットエンド開閉式MOHTによる仔稚魚の層別採集

2013年8月21日~9月4日にかけて水産総合研究センター中央水産研究所の蒼鷹丸においてコットエンド開閉式MOHT(図1)による仔稚魚の層別採集を実施しました。本航海にはSKEDから岡崎、日高、福田、宮本が乗船しました。

MOHTは仔稚魚やマイクロネクトンを定量採集する目的で開発され、4ノットの高速曳網(通常のネットでは2ノット程度が限界)が可能なネットです。コットエンド開閉式MOHTは網口後方にある開閉装置(図2)によりコットエンド前部網の開閉を行い、これまで難しかった遊泳力のある稚魚を定量的かつ層別に採集出来ます。今回は、4つの深さで採集を実施しました。

現在分析中のため詳しい結果はお示し出来ませんが、図3のように採集層が違うと仔稚魚の採集量が異なり、今回の調査では仔稚魚は浅い層に最も多いことが分かりました。今後分析を進め仔稚魚の分布特性などを明らかにする予定です。

岡崎雄二

図1 コットエンド開閉式MOHTの網口部。網口の大きさは約2.2m×2.2mあります(東京海洋大学の東海 正教授、胡 夫祥准教授より借用)。

図2 開閉装置の部分(写真中央)。コットエンド(写真右上の金属製円筒部)が付属しており、ここに各層で採集した仔稚魚を貯めておきます。

図3 採集された仔稚魚。左側から右側に向けて採集層が深くなる。